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Wi-Fiの最新規格Wi-Fi6とは?

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Wi-Fi6とは

2020年夏頃からパソコン、スマホを無線LANで使用するWi-Fiの最新規格Wi-Fi6(ワイ・ファイ・シックス)が急速に普及しています。1つ前の規格のWi-Fi5に比べ、通信速度が高速になったため、パソコン、スマホでのダウンロード速度、アップロード速度も速くなり、仕事を行う上でも快適な環境となってきました。

Wi-Fi6の正式な規格名はIEEE802・11axで、無線LANの最新規格です。Wi-Fi6の「6」は、6代目の規格を意味しています。Wi-Fi6はWi-Fi5から通信速度が高速となり、規格上の最大速度は9.6Gbpsで、Wi-Fi5の6.9Gbpsよりも約1.4倍も速くなっています。さらに、「OFDMA」というデータ転送方式を採用し、複数台での同時通信時の効率を向上しています。セキュリティ面も強化されており、暗号化方式には脆弱性が見つかった「WAP2」を改良した「WAP3」が使用されています。また、対応機器同士で非通信時に大幅に消費電力を減らすことができる「TWT(ターゲットウェイクタイム)」と呼ばれる省電力機能が搭載されています。

Wi-Fi6は、5GHz帯と2.4GHz帯を利用することができますが、6GHz帯を利用する「Wi-Fi6E(エクステンデッド)」と呼ぶ拡張規格も準備されています。ただし、現在の日本では、Wi-Fiで6GHz帯の電波を利用することはできず、法整備も必要になるため、日本の市場に登場するのは数年先になります。また、Wi-Fi6の正式な規格名はIEEE802・11axの次の規格として、IEEE802.11beが予定されており、規格策定は2024年の予定です。上記のような状況から、Wi-Fi6ルーターをこれから購入しても、2024年頃までは、最新規格として利用することができるので、おすすめです。

Wi-Fi6の特徴

■インターネット速度面

Wi-F6は、Wi-Fi5よりも高速で、私自身のパソコンでインターネット速度を計測した結果、2倍以上も高速になっています。Wi-Fi6で通信できるのは対応機器同士に限られています。Wi-Fi6対応のパソコンやスマホを持っていてもWi-Fi6ルーターがなければ性能を発揮することができません。Wi-Fi6対応ルーターは過去の規格であるWi-Fi5やWi-Fi4対応の機器とも接続することができますが、過去の規格の速度で使用することができます。

■Wi-Fi6ルーターのCPU高性能化

Wi-Fi6ルーターはCPUが高性能化され、IPアドレスの変換や通信の再配達、通信の監視など多くの処理を行っています。CPUの性能が高いほど、通信が安定し、高速になる仕組みであるため、現在使用中のWi-Fiルーターで不具合がある場合には買い替えることで高品質な通信を行うことができるようになります。

■Wi-Fi6は複数台での通信効率が向上

Wi-Fi6はデータの転送方法に「OFDMA」(直交周波数分割多元接続)を採用しています。Wi-Fi5までの「OFDM」(直交周波数分割多重方式)では、一度の通信で1つの機器にしか通信できず、複数台が同時に通信する環境では効率が悪くなりますが、Wi-Fi6では一度の通信で複数の機器に通信することができ、効率が良くなっています。

■帯域幅が2倍に拡大され高速化

Wi-Fi6ルーターの一部製品は、160MHzの帯域幅に対応しています。今までのWi-Fi5の多くの帯域幅は80MHzのため、Wi-Fi6は2倍になります。帯域幅が広いと速度のアップが期待できます。例えば、自動車が走行する道路の本数が2倍になることと同じで、同時に多くのデータのやり取りが可能となります。

■「HT160」と「80+80MHz」の違い

帯域幅160MHzには、連続した160MHzの帯域幅を使用する「HT160」と2つの80GHzの帯域幅に分けて使用する「80+80GHz」があります。近距離でより高速化で使用する場合には「HT160」の方が有利です。最近販売されているWi-Fi6対応のパソコンは両方を利用することができます。

上記のような特徴を活かし、テレワークでインターネットを使用する機会が多い方はルーターを買い替えて、快適な環境を整えていきましょう。